脳卒中(脳梗塞、脳出血等)の基本治療内容
〈期待できる効果〉

脳血管障害(脳梗塞、脳出血等、くも膜下出血)
施術内容(鍼治療編)
【※図11の説明】
脳梗塞など、脳卒中における片痺麻・対麻痺では、大脳点が中心になります。
右脳は左を、左脳は右を支配するため、右麻痺がある場合、左の大脳点と刺激する事が基本です。
【※図35の説明】
内臓点一:背=第I脳神経(知覚神経)〜嗅神経
内臓点二:膀胱=第II脳神経(知覚神経)〜視神経 眼球における上直、下直、円直、上眼瞼挙筋に分布
内臓点三:心包=第Ⅲ脳神経(運動神経)〜動眼神経 複視、内転障害、眼瞼下垂障害
内臓点四:心=第Ⅳ腦神経(運動神径)~滑車神経 上斜筋の障害により下方視・円方視による複視
内臓点五:胃=第Ⅳ脳神経(混合神経)〜三叉神経、顔面の知覚(温痛覚、触覚など)と咀嚼の運動を司ります。例えば、三叉神経痛です。これは、顔面の発作性の刺すような疼痛で、会話や歯磨きで誘発をされることがあります。

2種類の顔面神経の見分け方
末梢性顔面神経麻痺は、顔半分の全体が動かせなくなるため、額にしわを寄せることができません。また「額にしわのできる顔面神経麻痺」は中枢性疾患の可能性があります。
内臓点六:三焦=第Ⅵ脳神経(運動神経)〜外転神経 眼球の外直筋を支配します。外転神経障害:眼球内転と複視
内臓点七:小腸=第Ⅶ脳神経(混合神経)〜顔面神経、顔面筋の運動、舌前三分の二の味覚、涙分泌顔面神経麻痺、痙攣、味覚障害などで使用される。

内臓点八:脾=第Ⅷ脳神経(知覚神経)~聴神経、聴覚器には、聴覚を伝える聴神経としての蝸牛神経平衡感覚を伝える平衡神経として前庭神経の2つがあります。
聴覚神経障害:めまい、耳鳴り、聴力障害、平衡障害など起こります。

内臓点九:肺=第Ⅸ脳神経合神経(混合神経)~舌咽神経 舌神経、迷走神経は渾然一体、咽頭の運動、感覚をつかさどります 味覚においては、舌前方三分の二では顔面神経、後方三分の一では舌咽神経
内臓点十:肝=第X脳神経(混合神経)〜迷走神経 迷走神経は、前から横行結腸の三分の一までの運動神経と副交感性の知覚神経あり、心拍数の調整、胃腸の蠕動運動、発汗、発話にも関与
内臓点十一:胆=第Ⅺ脳神経(運動神経)〜副神経 首から上の痛みに有効
内臓点十二:大腸=第Ⅻ脳神経(運動神経)〜舌下神経舌 舌の動きにかかわります。
脳血管障書(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)を発症して病院での処置が終了して、一番初めに鍼治療での取穴です。
※内関、人中、三陰交、極泉、尺沢、委中、風池、完骨、天柱、以上の9穴です。
合併症の鍼治療
①顏面神経麻痺(中枢性)
風池、太陽、下関、地倉から頬車に透鍼、合谷
②失語症
上星から百会に透鍼、風池、通里(舌筋を利する作用)
③内反尖足(足の末端が下垂してしまっている)
解谿、丘墟から照海に透鍼
④構語障害、嚥下困難
風池、完骨、翳風
【CT症例集(鍼灸治療効果)】

施術内容
①指の関節の拘縮を緩和させる
指関節や中手指節関節(MP関節)を広げる

②肘関節の拘縮を緩和させる
腕橈関節、腕尺関節、上橈尺関節を広げる

③膝関節(膝の関節)
腕橈関節、腕尺関節、上橈尺関節を広げる

最後に
病気が発病してから、なるべく早くに鍼灸施術をすることが必要になってきます。
月日が経つにつれて後遺症が残ってしまいます。
また、西洋医学ではボツリヌス療法(ボトックス注射)を筋肉に注射し麻痺を和らげる治療法があります。
症状
左右どちらか片方に麻痺が出現します。また、構音障害により自分では上手く言葉する事ができません。
高次機能障害は言葉を話そうと思っても全く話すことが出来ない「失語」物の名前や使い方がわからなくなる「失認」などがおこります。
原因
誘因となる危険分子がいくつも分かっています
- 動脈硬化
- 高血圧
- 高血糖(糖尿病)
- 脂質異常
- 内臓脂肪型肥満
- 不整脈
今後の予防と対策
生活習慣病の1つでもあり、減塩や栄養のバランスのとれた食事を心掛け、禁煙、節酒、適度な運動を習慣にしましょう。
健康診断で高血圧、糖尿病、脂質異常、不整脈を指摘されている方は危険因子を減らすとともに、病気を正しく治療する事も大切です。
急性時は、西洋医学で治療を受けて慢性期においては、鍼灸治療を同時に受け回復を目指します。
(各機能の再生は個人差があります)頭部に鍼治療をする事がより効果的です。
(参考)加藤直哉(2011)『慢性疼痛・脳神経疾患からの回復-YNSA山元式新頭鍼療法入門-』三和書籍
(参考)石学敏(1991)『写真でみる脳血管障害の針灸治療-「醒脳開竅法」の理論と実際-』東洋学術出版社

